高気密・高断熱住宅とは

高気密・高断熱住宅とは、断熱材を使って建物の断熱性を高めると同時に、隙間をなくして気密性を高めた魔法瓶のような構造をもつ住宅のことです。

断熱をされていない住宅の場合、屋根、窓、壁、床などから夏は熱せられた空気が入り込み、冬は室内の暖かい空気がどんどん外へ逃げていってしまいます。冷暖房費がかさむばかりか、冬場、暖かい部屋から廊下やトイレ、脱衣場に出た時の温度差によるヒートショックがお年寄りにとっては命取りにさえなりかねません。
そこで、魔法瓶のような家なら、わずかなエネルギーで室内が暖まり、室内の空気を外に逃しません。
つまり、「暖かい家」にすることが高気密・高断熱住宅の始まりなのです。

高気密・高断熱だから可能になった換気

高気密・高断熱住宅には24時間換気が必須です。

1.人の呼気や臭いなどを排出するための換気

ご存知のように、人が呼吸すれば二酸化炭素が出ます。その量は安静時で1時間あたり15L程度です。この二酸化炭素を排出するには1時間あたり20~30m³の換気が必要といわれています。そのため、従来の家では隙間風などで一定量の換気を確保し、必要に応じて換気扇をつける場合が多く見られました。また建築基準法では、採光と換気のための窓を設置することが義務付けられています。

2.局所換気

臭いや湯気、煙などが出る所で、発生している時間だけ行う換気のことです。キッチンのレンジフードや、お風呂の換気扇などがこれに当たります。また、1の換気で寝室などにつける換気扇は、この局所換気にも分類されます。

3.全館換気

高気密・高断熱住宅を、結露の被害から守る換気です。全館を一定量で換気し、湿気を排出します。排気量は住まい方や換気システムの種類等により異なりますが、現在では4のシックハウス対策の0.5回換気に合わせるようになっています。

4.シックハウス対策としての換気

2003年に建築基準法で義務付けられた換気です。建築部材や家具などから発生するVOC(揮発性有機化合物)を排出することを目的としています。

住まいにとっては、これらの4つの換気をバランスよく導入する必要があります。

2003年以降、建築基準法では、2時間に1度の割合で室内の空気がすべて入れ替わるよう計画することが義務付けられています。高気密・高断熱住宅は、隙間だらけだった従来の住宅に比べ、室内の空気を常に新鮮に保つ計画換気を行うことが可能です。なぜなら、気密性が高い方が、給気口から新鮮な空気を取り入れて、排気口から出すという働きを容易にするからです。普通のストローでジュースを飲むのと、穴の開いたストローで飲むのとどちらが飲みやすいかを想像していただければ、理解がしやすいかと思います。

ところがその換気の質が悪く、結露やカビ、ダニの発生を招いている例が多々見られます。

このような、中途半端な高気密・高断熱住宅がまだまだ多いことと、換気に対する認識が不十分であることが、アクシデントを招く主な原因です。

床下

例えば床下。基礎断熱を行い居室と床下を空気が行き来できるようにしている、或いは床下換気口を使って室外の空気を取り入れられるようにしている場合などに、結露やカビの発生が見られるケースがあります。いずれも床下に高湿の空気が入り込んだことが原因。 前者は床下を換気せずエアコンを常時運転することで、また後者は床下換気口からの外気の取り入れ方を制限し、床下に高湿の空気を入れないようにすることで解決しました。

冬場の過乾燥

高気密・高断熱住宅に多い冬場の過乾燥。湿度が低い環境を好む風邪ウイルスの温床となりやすく、家族が風邪をひきやすいことが考えられます。
そのため、24時間換気の仕様を、温度のみを交換する顕熱交換型ではなく、湿度も一緒に交換できる全熱交換型を採用しています。

冬季に室内を湿度40%にするための要加湿量
冬季に室内を湿度40%にするための幼加湿量

数値の単位はg/h。気積300m³(36坪)の住宅で、室温22℃、湿度40%,、外気温-4℃、湿度71%、潜熱交換率は全熱交換型で50%、顕熱交換型で0%、排気風量は共に150m³/hとして計算したもの。

このような事例からもわかるように、高気密・高断熱住宅を建てる業者は、換気に対するしっかりとした知識と技術とがなければ、真に住み心地のよい住宅を提供することは難しいのです。

換気にこだわってきた丸七ホーム

丸七ホームの高気密・高断熱住宅では換気の質にこだわり、平成6年(1994)頃から全熱交換換気ユニットを使った第一種換気システムを標準採用してきました。第一種換気とは、給気・排気ともに機械によって行う方法。熱交換器を使って排気の熱を回収します。

では熱交換換気とはどういったものでしょうか。これは屋外の新鮮な空気を取り入れる時に、熱交換素子を介して室内の空気との間で熱交換を行い、外気を室内空気の温度に近づけて取り入れる方法です。外気は空気清浄フィルターでホコリや花粉をカットしてから熱交換され、ほど良い温度にされてからダクトを通してリビングや寝室、子供部屋などに送られます。

「マッハシステム(MaHAt System)」の高気密・高断熱住宅はこれをさらに進化させたものとして、パナソニックエコシステムズ(株)様の計測や換気空調計算などの技術的なご協力を得、平成17年(2005)頃から開発を進めてきました。平成21年(2009)には国土交通省の「住宅・建築関連先導技術開発助成事業」として採択され、開発事業を行いました。(京都府立大学教授 尾崎明仁、(株)システック環境研究所、丸七ホーム(株)の3者による共同事業)

そして、平成24年(2012)に「マッハシステム(MaHAt System)」が今までにない新しい技術だと認められ、特許を取得しました。(特許 第5067769号、特許 第5094894号)

このシステムでは階段ホールなどに空調ユニットを設置し、ここに屋外からの空気や部屋の中を循環して戻ってきた空気を集めて浄化し、ちょうどよい温度にした後に、小型の送風機を通じて各部屋に送り込むというものです。

つまり、換気だけではなく冷暖房、除湿、空気浄化、換気のすべてを行うのが「マッハシステム(MaHAt System)」。「換気」を超えた「空調(空気調和)システム」です。

高気密・高断熱住宅では、結露対策としての換気を兼ねるため、全館の換気を0.5回/hで行う場合が多くなっています。

丸七ホームの換気は第一種換気方式

換気には3種類の方法があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。まずは、第1種換気は給排気ともに機械で行う換気なので計画的な換気が可能です。安定して新鮮空気を供給しながら汚染空気を排気します。続いて第2種換気は、排気側を自然換気、給気側は機械換気で行います。
第2種は住宅にはほとんど用いられず、主にクリーンルームなどに採用される方式です。最後に第3種換気です。こちらは、排気側を機械換気、給気側は自然換気で行うために、ファンの駆動エネルギーが小さく、第1種換気と比較して電気代が安くなります。基本的に室内の臭気や湿気が発生する箇所から排気します。第3種換気は熱交換との併用はできず、換気時に熱損失が生じます。

各換気方式

外断熱について

四季を通じて温湿環境が大きく変化する日本。古来、日本の家は「夏を旨とすべし」とされ、風通しのいい家が良しとされてきました。その結果、冬は寒さを我慢せざるを得ない時代が長く続いたのです。

近年になって「断熱」という概念が生まれ、気密性の高い住宅が登場すると、今度は結露やカビが構造材を腐らせたり、シックハウスを誘発するなど、大きな社会問題が起こりました。どうすれば外気温や湿度の影響を受けにくい家をつくることができ、快適な住み心地と、住まいの長寿命化を実現することができるのか。

丸七ホームではその一つの答えとして、外断熱(基礎外断熱)の高気密・高断熱をベースに、二重通気工法を採り入れた住まいづくりに取り組んでいます。

オール外断熱と二重通気

丸七ホームでの「オール外断熱」とは、基礎から屋根まで全ての構造材をすっぽりと覆い、断熱ラインを途切れさせない事を指しています。
では、よく聞く外断熱とどう違うのかと思われますよね。「外断熱」と言っていても基礎や床下は外断熱施工をされていないケースが多いです。丸七ホームの「オール外断熱」はすっぽりと覆うので、気密が非常にとりやすいのが特徴です。
また、そのほかに充填断熱というものもありますが、柱と柱の間に断熱材を入れるので、柱のあるところは断熱が途切れ、そこから熱が漏れやすくなり、気密性能も低くなります。

二重通気とは外断熱ならではの工法です。内装材と断熱材の間を内側通気層、断熱材と外装材の間を外側通気層と呼んでいます。2つの通気層を通して室内と躯体内の両方に空気が通り、湿気や結露から建物を守ります。
一方、充填断熱の場合は、柱と柱の間を断熱材が埋めているため内側通気層を設けることはできません。
また、充填断熱の場合、柱が内外両方の空気に触れてしまいます。そのため、内外の温度差による結露の発生や木材の歪みの原因になる恐れがあります。
マルシチが充填断熱を採用せず外断熱を採用する理由もこれらにあります。

外断熱
夏 冬

大切な床下とサッシ

私たちが外断熱(基礎外断熱)を採用しているもう一つの大きな理由に、床下環境がよくなることが挙げられます。家ごと断熱材で覆われているということは、床下も例外ではありません。その結果、一年を通して床下の温度はほぼ一定になり、床下から躯体内の通気層に流れ込む空気によって、木材は湿気から守られます。
マッハシステムは床下まで24時間換気空調をしています。そしてオール外断熱により、床下も室内環境とみなし、床下までも室内と同じ環境を実現しています。その結果、床下に敷設されている多くの電気配線や水道管などの劣化を防ぐことができ、本当の100年住宅を実現しています。
さらに、床下で特に注意が必要なシロアリは、空気の流れを嫌うので絶えず空気が動いていることは大きな対策となることに加え、TDP工法も標準で備えており、シロアリ対策は万全です。

サッシ(窓)

ところでみなさんは、住まいの中でもっとも熱を逃がしやすく、また取り込みやすいのはどの部分かご存知ですか?答えは窓。いくら外断熱を施しても、窓が普通のアルミサッシであれば、そこからどんどん熱が移動してしまいます。
また、室内と戸外の温度差による結露も大きな問題です。丸七ホームではそのような事態を防ぐため、高性能断熱サッシとペアガラスを使用しています。高耐候性硬質塩ビ(PVC)のフレームに空気層12mmのペアガラスを組み込み、断熱効果ばかりでなく、結露や凍結の防止にも威力を発揮します。さらに、オプションでワンランク上のトリプルガラスもお選び頂けます。

快適な住環境のためには、基礎から屋根までのオール外断熱の施工で高気密・高断熱の建物をつくり、さらに細かい部分にこだわって材料や設備を吟味することが、とても重要なのです。

樹脂サッシ

丸七ホームでは薬剤を使用しない防蟻対策を信条としています。

基礎外断熱の外側に、収縮がほとんどない特殊断熱パネルを隙間なく密着させ、土中からのシロアリの侵入を物理的に防ぐTDP工法(ターミメッシュ+特殊断熱パネル)もその一つ。

さらに丸七ホームオリジナルの空調システム「マッハシステム(MaHAt System)」が、シロアリにも有効であることがわかりました。

気密テスト

マルシチの家では気密テストをはじめ種々の検査を行い、具体的なデータで建物の性能を示しています。いつでもご説明しますので、お気軽にお尋ね下さい。

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