完全外断熱で、夏涼しく、冬暖かい暮らしを実現

基礎から屋根までの完全外断熱を採用すると、夏は涼しく、冬は暖かい快適な住まいを実現できます。完全外断熱は、すべての構造材の外側に断熱材を施す断熱工法のことで、断熱・気密性を高め、結露を防ぎ、建物の寿命を延ばす効果も期待できます。
「マルシチの家」の外壁断熱層は、厚さが50㎜あります。25㎜厚の断熱材を2枚重ねることで50㎜としています。「50㎜の断熱材を1枚張ればいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。しかし、断熱材2枚を重ね張りするには理由があります。
「マルシチの家」は外断熱の高気密住宅です。そのため、住まいに隙間ができないよう、細心の注意を払って断熱材を施工しています。構造材の外側に910㎜×1820㎜に成形された断熱パネルを突き付けて固定していくのですが、材料には若干の製造誤差があり、1枚、2枚とパネルを並べて行くと、どうしても継ぎ目にわずかな隙間が生じてしまいます。そこで、断熱材の継ぎ目には専用の気密テープを貼り、気密を確保します。
しかし、テープを貼ったから安心というわけではありません。実はテープには空気や紫外線に触れると剥がれやすくなるという性質があります。そこで、もう1枚断熱材を重ね、テープが剥がれないように保護します。50㎜の断熱材を1枚張るだけであれば、時間も手間も掛からず簡単ですが、長い目で見た性能を重視して施工しています。
なお、屋根には厚さ50㎜の断熱材を突き付けて固定し、テープで気密補強した上に30㎜厚の断熱材を重ねて張ります。屋根の方が太陽による熱の影響を受けやすいため、断熱材も外壁より厚くなります。
【一層目の断熱材を施工中の様子(壁)】
【二層目の断熱材を施工中の様子(壁)】