設計のワンポイントアドバイス~2階LDK~

間取りを考えるにあたり、2階にLDKを希望されることが時折あります。LDKを上階にレイアウトする際のメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
【メリット】
◎ 採光や通風が下階に比べて良い
市街地など、敷地がそれほど広くなく、近隣の建物が近くても、窓が高い位置に取れるので、心地いい日差しや風が入り込みます。
◎ 眺望を楽しめる
隣地の状況にもよりますが、窓の配置や大きさを考慮しながら、風景を取り込みやすくなります。
◎ 家族のプライバシーを確保しやすい
道路からの視線が気になりません。
◎ より開放的な空間とすることができる
勾配天井を採り入れて屋根の形を活かした設計とすることで、空間に広がりが生まれて、開放感を増すことができます。
◎ 耐震性が高まる
1階に寝室や子供部屋など細かく仕切られた部屋が多くなるため、2階の荷重を支える壁や柱が多くなります。そのため、2階リビングでは、1階に比較して、必要な壁や柱の量が少なくなるため、空間を大きくとることができます。
【デメリット】
× 階段での移動が増える
来客時の応対、買い物帰りの荷物運搬など生活の中での負担が多くなりがちです。そこで、以下の事柄について配慮が必要です。
①玄関~階段~キッチンへの動線をできる限り短くする
②1段あたりの高さを低く抑えて傾斜を緩やかにする
③曲がりでの上がりを少なく出来れば踊り場にする
④階段の幅を少しでも広げる
⑤将来ホームエレベーターを設置することを視野に入れて設計する
× 家族のコミュニケーションがしづらい
2階リビングの場合、1階に寝室や子供部屋などの個室を必然的にレイアウトすることとなり、自室にこもり、家族間のコミュニケーションが取りづらい場合があります。家族が顔を合わせる機会を増やすために、子供の勉強や遊びスペースを2階にレイアウトするなど、2階に上がる理由ができると、1階にこもり続けやすい環境を避けることができるかもしれません。
× 外部からの侵入に気づきにくい
2階に家族が集まり、1階は誰もいない時間帯が生じてしまうと、心配になるのが防犯面です。玄関は毎回鍵をするなどといった日頃の対策はもちろんのこと、窓にシャッターを設置する、防犯カメラを取り付けるなど防犯設備の導入も一緒に検討したいです。
何事にもメリットとデメリットはありますが、デメリットへの工夫をプラスすることで、良いところを楽しめる家づくりをご提案いたします。